豪雨、台風なと自然災害への備えを万全に

今年に入ってから台風の発生数はすでに23を数え、台風以外の豪雨や竜巻など自然災害も多発しています。7月の西日本豪雨、そして先ころの台見21号は各地に甚大な被害をもたらしました。地球温暖化の影響といわれていますが、近年は自然災害が大規模になりやすい傾向にあります。そこで、日ごろの防災・減災対策および、被災した場合の補償のことなどを、一般社団法人日本損害保険協会近畿支部京都損保会の会長(損害保険京都支店長)にうかがいました。

■「大規模災害が立て続けに起きている」

記憶に新しい7月初旬の西日本豪雨では、京都府にも甚大な被害がありました。死傷者12人、風や土砂崩れで全壊~半壊した家屋は福知山市・綾部市を中心に65棟、一部損壊69棟、床上浸水539棟、床下浸水1734棟となっています(8月21日京都府災害対策本部発表による)。道路が寸断されて孤立した集落や、土石流被害も少なくありませんでした。とりわけ福知山市は、この5年間に平成25、26、29年と3度の水害に見舞われ、加えて今年の豪雨です。また、6月29日に発生した米原市のの竜巻では、市内148棟の建物やガラス・トタンなとに被害がありました(7月24日米原市発表による)。
これらの災害がまだ生々しい爪痕を残している状況で、9月4日には台風21号が近畿地方を縦断。京都市では、昭和9年に発生した室戸台風の最大瞬間風速42・1㍍に次いで、戦後もつとも強い39・4㍍を記録しました。猛烈な雨も降り、街路樹なとが根こそぎ倒れたり、電柱が倒れて停電するなどの被害が発生。住宅被害は京都市と亀岡市を中心に府下888棟の損壊が確認され、今後も増加すると思われます(9月7日京都府災害対策本部発表による)。京都府南部・中部は内陸のため、自然災害は少ない印象を持たれがちですが、河川が氾濫する恐れはあります。また、山際の地域は土砂崩れ、都市部ではアスファルトやコンクリートで地面が固められているので水が溜まりやすく、浸水の危険性もあるのです。
ちなみに、9月12日時点での西日本豪雨における火災保険の支払い見込みは、件数ベースでは広島県の5579件、金額ベースでは岡山県の約574億円が最高で、京都府でも1344件・約27億円となっています。

■「忘れないうちに次への備えを」

近年は「観測史上初」というような、これまで経験したことの災害が発生しています。
時間がたつと災害を忘れがちなので、記憶が新しいうちに次の災害へ向けた防災対策が必要です。今年は台風が多く発生しており、まだ大きな台風が来る可能性もあるので、早めに備えてください。
家屋の周囲を細かく調べ、雨戸がずれやすくなっていないか、屋根や壁にもろくなっている箇所はないか、隙間が空いて雨が吹き込むようなところはないかなとをチェックして、問題があれば修繕しましょう。災害の予報が出されたら、屋外に置いてあるものは風で飛ばないように移動させたり固定するなどしましょう。革も浸水する恐れがある場合は、できるだけ高台へ移動させましょう。
災害が近づいてきたら、テレビ‥フジオで刻々と変わる状況を確認します。停電に備えて携帯電話の充電を小まめにし、インターネットでの情報収集も大切です。自治体からの情報も参考に、雨風が強くなる前に避難などを速やかに行いましょう。特にお年寄りがおられる家庭は早めに、ご近所でお年寄りの独居がある場合は、声をかけて一緒に避難しましょう。お年寄りは「いままで大丈夫だったから今度も平気だ」と避難したがらなかったり、畑や道路を見に行くなどして被災することも多いので、説得して、単独行動は控え、一緒に避難するよう呼びかけてください。

■「自然災書を幅広くカバーする火災保験」

自然災害による建物の損壊、建物本体だけでなく外構のフェンスやカーポートの破損なとがあった場合、火災保険を契約されていれば補償されます。「火災保険」という名称ですが、台風・竜巻なとによる風災、豪雨・豪雪などによる洪水・氾濫・土砂崩れなどで建物が損壊した場合に補償が受けられる損害保険なのです(補償範囲は契約内容によります)。車の被災に関しては「車両保険」で補償されます。
また、大規模な地震も起きていますが、地震・噴火・地震による津波で生じた損害については「地震保険」で補償されます。
災害が起きて住まい周辺の損壊に気付いたら、まずは保険会社・代理店へご相談ください。
リフォーム業者によっては、「無料点検している」といつて家屋へ立ち入り、必要ない工事を行って高額な修理代を請求するケース、明らかに経年劣化による損壊を「火災保険で修理代が出るから」と偽って修理しようとするケース、保険金の請求行為そのものを代行するようなケースがあるようですが、このような場合は注意が必要です。すぐに業者と契約せずに、こちらもまずは保険会社・代理店へご相談ください。

■「暮らしの中で防災意識を身に付けて」

災実に備えて、ひごろから防災意識を高めることも大切です。損保協会では内閣府や文部科学省なとの後援を待て、「小学生のばうさい探検隊マップコンクール」を実施しています。
子どもたちが自分の住むまちを探検し、「雨が降ると危険、ここは夜暗いから気を付けよう」などの気付きを記したマップを作成し、それを学校や地域で発表する取り組みです。子ども目線で作成されたマップを見ると、大人もハッとすることが多く、みんなの防災・防犯意識が高まります。また、地域コミュニティーの強化にもつながっています。
個々においても地域の防災訓練への参加、防災グッズの準備、家の周閉の点検などをしっかりしてください。そして保険については、契約内容と補償範囲を確認しておきましょう。例えば住宅ローンを利用するときなど、最初は長期型に加入しますが、年がたつに従い補償内容が現状に合わなくなっていることもあります。その場合は、内容の見直しが必要です。
見直しにあたってはご自身のニーズを明確にし、必要な補償で構成しましょう。例えば住んでいる地域は水に弱いとか、風災については必要ないなどと、居住地域の環境によってベーシックな保険に必要な補償を付加してください。なお、同じタイプの保険にいくつも加入しても、一事故に対して補償金額は一定です。複数の保険会社へ加一入しても無駄になることがあるので注意してください。
契約している保険は年一回の更新時期に内容を確認し、無駄なくきちんとした補償が受けら行るようにしてください。保険会社から更新および保険内容の確認通知があれば、必ず目を通し、疑問点があれば説明を受けて解消しましょう。わからないことがあれば、いつでも加入しでいる保険会社・代理店にご相談下さい。

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