資産運用ロボアドバイザーとFPアドバイスの比較≒[2,000万円問題]の対策
資産運用ロボアドバイザー「WealthNavi」のセミナーに参加してきました。ウェルスナビ株式会社は金融商品取引業者であり、預り金は分別管理をしているので万が一倒産しても運用資金は法律によって保護されている。他のロボアドバイザーは
・楽天証券「楽ラップ」
・お金のデザイン「THEO」
・マネックス証券「マネラップ」
・LINEワンコイン投資「FOLIO」 等あるが、預かり資産ではWealthNavi「ウェルスナビ」(2015年4月創業)が一番多い(2,200億円)。WealthNaviは、ノーベル賞受賞者が提唱する理論に基づいた金融アルゴリズムを採用しています。世界の富裕層なども行う資産運用を誰もが行える。とのことだが、講師曰く「他のロボアドバイザー」と比較してほぼ差は無いとのことだ。
2019年の金融審議会の報告書いわゆる【2,000万円問題】の対策として、セミナーではWealthNavi「ウェルスナビ」を勧めているがFPとしてはNISA(つみたてNISA含む)と比較したい。
まずはWealthNavi「ウェルスナビ」では”つみたてNISA”は使えないことを指摘しておこう(利益には課税)。
資産づくりには①長期 ②積立 ③分散 による資産運用が大切なことは当FPもWealthNavi「ウェルスナビ」も方法・考え方は同じである。が、手数料(年率)がことに重要になってくる。下表のようにほぼ1%だ。
目次
投資一任型のロボアド
ロボアドバイザー(投資一任型)特徴比較 | ||||
---|---|---|---|---|
取扱会社 | ロボアド名 | 最低投資金額 | 手数料(年率、税抜) | 積立可能最低金額 |
WealthNavi | 10万円 | 1% | 1万円 | |
WealthNavi for SBIネオモバイル | 1万円 | 1% | 5,000円 | |
楽ラップ | 10万円 | 0.702% | 1万円 | |
THEO+docomo | 1万円 | 1% | 1万円 | |
WealthNavi for SBI証券 | 30万円 | 1% | 1万円 | |
マネックス証券
|
マネラップ | 1,000円 | 0.991% | 1,000円 |
大和証券
|
ダイワファンドラップオンライン | 1万円 | 1% | 1万円 |
お金のデザイン
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THEO | 1万円 | 1% | 1万円 |
つみたてNISA | FPに相談 | 任意 | 0.11550%~1.62000% | 年間40万円まで |
次に投資対象はWealthNavi「ウェルスナビ」は5パターン(リスク1~5)、つみたてNISAは151種類から自由に選択出来るし購買手数料はノーロードで不要だ。
手数料
楽天ラップが「0.702%」で一番安いが、つみたてNISAは「0.11550%~1.62000%」と銘柄により幅があるが0.11550%と驚異的な運用管理費用のもある。
他のロボアドバイザーはWealthNaviをはじめ1%が大半を占める。WealthNaviはアメリカのETFに投資、株式はバンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)を購入していて、保有コストは年間0.04%だ。日欧株式会社は(EVA)年0.07%、新興国株(VWO)0.14%、米国債権(AGG)0.05%、物価連動債(TIP)0.20%、不動産(IYR)0.43%、金(SPDR)0.40%であり、5パターン(リスク1~5)によりポートフォリオを変えている。
ポートフォリオ
世界を代表する機関投資家、ノルウェー政府基金(約104.5兆円)、株式66%債権31%不動産3%で73カ国9,158銘柄に分散投資しているが21年間に約3倍に増加している。
ちなみに世界最大の年金基金は日本のGPIFの約169兆円(2019年12月末現在)だ。
(株7割債権3割)>(株債権5割)>(株3割債権7割)
株債権比率 → リスクとリターン ↓ |
株7割 債権3割 | 株 債権 共5割 | 株3割 債権7割 |
リスク | 大 | 中 | 小 |
リターン | 大 | 中 | 小 |
投資年齢 | 20~30歳代 | 40~60歳代 | 70歳代以上 |
☆投資でのリスクとは価格の振れ幅を意味する
目標リターン
長期的な資本のリターンは「世界経済成長率+1~2%」を目標にする。
r > g
r:[資本のリターン] g:[経済成長率]
4~6%/年 > 3~4%/年
(*ドマ・ビクティ「21世紀の資本」から引用)
とのことなので、5%は目指したい。
【72の法則】:資産を倍にするのに何年掛かるか?が、簡単にわかる法則だ。今5%を目指すということなので5%の複利運用で 72÷5=14.4 すなわち14.4年の年月が必要となる。
税金
つみたてNISA、WealthNaviとも分配金は再投資しているが、つみたてNISAは値上がり益・分配金とも非課税であるが、米国ETFに投資しているWealthNaviは米国で10%+日本で約20%の二重課税を受けるので複利の法則の利点が減ずる。(すなわち再投資は分配金の70%しかWealthNaviではできない)
ロボアドの投資一任型で自動売買する金融商品は、NISAの非課税対象になりません。
結論
結論は金融商品仲介業を行っている、つみたてNISAに精通したFPと相談して、年間40万までの枠以内で銘柄選択し、自動で毎日つみたてNISA設定するのがBESTだ。ちなみにWealthNaviの月平均積立額は3.4万円で年間40.8万円とつみたてNISAの年間枠とほぼ同じなのは興味深い。
参考:コア(投資)とサテライト(投機)
コア(長期・積立・分散) | サテライト(株・先物・商品・FX) | ||
運用期間 | 長期(10年以上) | ⇔ | 短期(1年未満) |
運用の考え方 | 持ち続ける(相場は気にしない) | ⇔ | タイミング重視(安く買って高く売る) |
投資比率(目安) | 7割以上 | ⇔ | 3割以下 |
ドマ・ビクティ「21世紀の資本」から引用
資本主義の中心的な矛盾 (r>g)
本研究の総合的な結論は、民間財産に基づく市場経済は、放置するなら、強力な収故の力を持っているということだ。これは特に知識と技能の拡散と関連したものだ。でも一方で、格差拡大の強力な力もそこにはある。これは民主主義社会や、それが駁ぎす社会正義の価値観を脅かしかねない。
不安定化をもたらす主要な力は、[民間資本収益率r] が [所得と産出の成長率g] を長期にわたって大幅に上回り得るという事実と関係がある。
不等式r>gは、過去に蓄漬された富が産出や賃金より急成長するということだ.この不等式は根本的な論理矛盾を示している。事業者はどうしても不労所得生活者になってしまいがちで、労働以外の何も持たない人々に対してますます支配的な存在となる。いったん生まれた資本は、産出が増えるよりも急速に再生産する一過去が未来を食い尽くすのだ。
これが長期的な富の分配動学にもたらす結果ほ、潜在的にかなり恐ろしいものだ。特に資本収益率か、当初の資本規模に直接比例して増えるということまで考慮するとその懸念は高まる。そして、この富力分配の格差拡大は世界的な規模で起こっているのだ。
この問題は巨大だし、単純な解決策はない。もちろん教育、知識、非公害技術などに投資することで成長を促進はできる。てもこのどれも、成長を年率4-5〕ハーセントに引き上げたりはしない。歴史的に見て、そんな勢いで成長できるのは先をゆく経済に追いつこうとしている国だけだ。たとえば第二次世界大戦後30年間のヨーロッパや、現在の中国などの新興国だ。世界の技術最前にいる国にとって---そしてつまりはいすれ全世界にとって---どんな経済政策を採用しようとも、成長率が長期的には1-1.5パーセントを超えないたろうと考えるべき理はたくさんある。
★尚、FP京都では個別具体的な商品の案内はしません。
金融商品仲介業者(IFA)をご紹介致します。